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RealityScanとは
これまでのRealityCaptureはEpicGames社が提供するフォトグラメトリソフトでしたが、2025年6月にリブランディングされRealityScanへと名称へと変更になりました。
RealityScanはこれまでモバイルアプリとして存在していましたがそちらはRealityScan Mobileと言う名称になり、EpicGames社が提供するフォトグラメトリソフトはRealityScanブランドへと統一されています。
RealityScan 2.0新機能
RealityCaptureとして最後となったバージョンは1.5でしたが、そこから一気にジャンプアップしてRealityScanでは2.0からスタートとなりました。
新機能一覧は公式のリリースノートを参照するとして、その中からいくつか気になる機能をピックアップしてみたいと思います。
1.AIマスキング
これまでのマスク機能は、一度ドラフトでメッシュ化まで行った上でそのメッシュをベースにマスクを作成するという物でした。
このフローでは写真は繋がっていることが前提で、繋がらない写真はその時点でマスク作成から除外されます。
AIマスキングの特徴は、アライメントを行う前にマスクを作成するというものです。
注意点としては、このAIマスキング機能を使用するためにはグラフィックボードに搭載されているVRAMが10GBと言う推奨条件があります。
使い方
AIマスキングはWORKFLOWタブの2.Processの項目にあるMasking Imagesで使用できます。
特に設定は必要なく写真をインポートした後にMasking Imagesをクリックする事で処理が始まります。
処理中はインジケーターが表示されますが、処理が終わっても特に何も表示はされません。
処理が終わった後の次の工程は、Masking Imagesの横にある▼をクリックされると表示されるメニューから選択できます。
- AI Masking:AI マスキングの実行
- Masking from Mesh:マスク作成結果からメッシュを生成
- Export Masks:マスク画像の書き出し
今回のマスク作成では、マスク画像をわざわざ書き出さなくても使用する事が可能です。
これまで通りマスク画像を書き出すことも可能です。これで別のフォトグラメトリソフトでもマスク画像が使用可能になります。
マスク画像が適用された写真は以下の様に、通常の写真がマスク画像に寄って切り抜かれたように表示されます。
2.品質分析ツール
これまでRealityScan Mobileにはあった機能で、品質を色分けによって確認でき写真が不足している箇所を可視化できるようになりました。
使い方
Quality AnalysisはALIGNMENTタブのAnalyzeにあります。
Quality Analysisパネルにはあるプルダウンをクリックすると3つのメニューが選択できます。
- Tie point Quality:アライメントによるタイポイントの品質を表示し、写真不足箇所が確認できます
- Mesh Quality:ポリゴンメッシュの品質を表示し、その結果を頂点カラーやテクスチャへ反映できます。
- Advanced:これまでのRealityCaptureにあったInspect Quelityと同じく、タイポイントのエラーや写真同士の結びつきの強さの確認が出来ます。
3.航空LiDAR点群のサポート
リリース名としては航空LiDARサポートとなっていますが、これは航空LiDARで対応している点群データを扱えるようになったという事で、航空LiDAR以外で取得した点群データも使用が可能です。
これまでRealityCaptrureでサポートされていた点群データはPTX形式、E57形式など一部のフォーマットでしたが、LAS/LAZ形式、PTS形式、CSV/XYZ形式などのフォーマットが追加されています。
以下の画像は航空LiDARで取得した点群ではないLAS形式の点群を読みこんだデータです。
実際には据え置き型スキャナによって地上で取得された点群データですが、航空LiDARを前提としているためか上空にスキャンポイントが表示されています。
注意点
RealityCaptureではバージョンが上がっても各種パラメータの設定は引き継がれていましたが、RealityScanでは設定は引き継いでいません。
例えば、キャッシュドライブのカスタム設定を変更している場合は改めて指定する必要があります。
また、Simplifyの際にパーツを一つにまとめるPert mergingを変更していた場合も改めて設定する必要があります。