Unlitとは一般的に照明や影の影響を受けず、テクスチャやペースカラーの色をそのまま出すシェーダーを指します。
例えばフォトグラメトリでは、ポリゴンの凹凸から生まれる陰影を発生させず、全体の印象やテクスチャを強調して見せる事があります。
こういったSketchfabのモデルもUnlitシェーダーを使用したものです。
東京 秋葉原 かんだ食堂 / Kanda Shokudou Diner @sketchifab
UnrealEngineにおけるUnlit
上で書いたようにUnlitシェーダーを使用したい理由は「テクスチャの色をそのまま出す」事ですが、UE4/UE5でのUnlitシェーダーは一筋縄にはいきません。
どういう事かと言うと、以下の写真の機関車を例にします。
この機関車のフォトグラメトリモデルをUE4/UE5に持っていきます。
(今回の例ではUE5.0.0 preview2を使用しています)
シェーダーはDefault Litを使用したもので、陰影が出つつ表面にはポリゴンメッシュの凹凸出ているのが分かります。
これをUnlitシェーダーにすると以下のような見え方になります。
陰影が消え、ポリゴンメッシュの凹凸も見えなくなりUnlitの特徴が出ていますが、元の写真と比べると明るくまた白っぽい見た目になりました。
UnrealEngineの世界の雰囲気に合った色味ではありますが、Unlitに求めている物とは違います。
なぜこうなるのか、Unlitのドキュメントを読んでみるとわかります。
つまり、UnrealEngineにおけるUnlitは発光に使うシェーダーなため白っぽい見た目になるという事になります。
UnlitらしいUnlitにする
UnlitらしいUnlit、テクスチャそのままの色を出す加工をします。
テクスチャをそのままEmissive Colorに刺すと明るすぎるので、明るさを落とすためのノードを組むと以下の様になります。
このマテリアルを使用すると以下の様な見た目になります。
全体的に明るさが下がり彩度が落ち、元の写真に近い色味になりました。
テクスチャと比較しても近い色味になっています。
これで求めているUnlitの見た目になりました。
最後に、3つのシェーダーを並べてみるとこうなります。