360 Video Sitll Cropperでは切り出す角度を45°間隔にしています。
なぜ45°間隔なのか、という事をこの記事で解説します。
エクイレクタングラーから平面画像へ
360°動画で使われているエクイレクタングラー方式の動画は球状にした状態で視聴する事を前提にした歪み方をしています。
フォトグラメトリソフトで使用するためにはこの歪みを補正し、平面の画像にする=通常の平面カメラで撮影したのと同じ状態にする必要があります。
補正の仕方はエクイレクタングラーの状態で考えるよりは、球体の状態で考える方がわかりやすいです。
球体の状態ではその中心から見て上下左右の全方向(まさに360°)に映像があるので、この状態を通常の平面カメラでも再現できるようにすることが「補正」にあたります。
通常の平面カメラで上下左右全方向に映像がある状態をどのように再現するのかと言うと、シンプルに全方向が映る様に複数のカメラを配置します。
ただしこの時、カメラ同士に隙間があるとカメラに映らない場所が出来てしまうので、すべての方向のカメラが隙間なく配置されている必要があります。
その状態を図にするとこのようになります。
平面カメラとオーバーラップ
この状態はFOV(Field of View / 画角)を90°に設定したカメラを上下左右6面に配置したもので、立方体状する事が平面カメラで全方向に映像を映す配置の仕方になります。
ここで重要なのがFOV90°という数値で、これは画角が90°であるという意味と同時に90°ごとにカメラを回転させて配置しているという意味でもあります。
つまり、一つのカメラを90°ごとにカメラを回転させて画像を切り出しても同じ同じように全方向の平面画像が得られます。
しかし全方向の画像が得られても、そのままではフォトグラメトリソフトでは使えません。
カメラを隙間なく配置しているという事は、逆に重複している箇所もないという事です。
フォトグラメトリでは画像同士のオーバーラップが重要になるため、重複してない画像を使ってもアライメントが出来ないという事になります。
なので、FOV90°はそのままで、カメラを45°ずつ回転させることで重複箇所を作りアライメントを出来るようにする、と言うのがここでの360°動画から静止画を切り出す考え方で、360 Video Sitll Cropperで45°ずつ切り出しが行えるようになっている理由です。
上向き、下向きの画像も同様にオーバーラップを意識した角度を指定する必要がありますが、一概に固定の数値ではなく写っているもので数値は調整する必要ががあります。
キューブマップ
なお、立方体状に配置のカメラで作られた立方体の展開画像をCG用語では「キューブマップ」と呼ばれ背景画像として使われており、360 Video Still Cropperでも90°間隔で切り出すことで作成することが出来ます。